第1章 急な雨に
ザアー
─────雨─────
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「止みそうもねぇな……」
湿った空気は恩師を失ったあの日と同じ…
その日、任務もなかったシカマルはアスマの下へ向かっていた
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ザアー
……ん?
『バカアスマ…』
紅先生じゃないな…
…誰だ?
目的地に近づくと、そこには咥え煙草の知らない女
『…そっちこそ誰だ?…お前…』
気づいてたのかよ!
しかも俺の心読みやがって、
『…こいつの部下か…済まないが今は治取り込み中だ、面会なら後にしろ』
「はぁ?」
何様だ、アスマをコイツ呼ばわりかよ!
「アスマの知り合いか?」
『…お前の部下はデリカシーのない奴だな…』
コイツっ!
『はぁ…仕方がない、また今度ゆっくりな…』
そう言い、立ち去ろうとする女にシカマルは慌てて声をかける
「おい、待てよ!邪魔して悪かった、アスマの知り合いなんだろ?俺は後にするから、ゆっくりしていけよ」
その言葉に、女はピタリと足を止めるが振り返らない…
『…お前達のことはよく聞かされていた…』
「…ぇ」
『私なんかよりお前が居てやった方がアスマも喜ぶ…じゃあな…』
「ちょっ!」
歩き出す女を呼び止めようと声を発するシカマル、しかし女は聞かずその場を後にする