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第3章 降りつづく雨






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「俺、ガキができたんだ!」


そう幸せそうに話していた彼はもういない





アスマのことは昔からずっと近くで見てきた、そんな彼が愛した人が紅だった



笑顔の二人が並んで歩く姿を見ていると私も幸せで、こんな二人をずっと見ていたいって……





だから




この幸せを私も守ろうって決めたんだ…





なのに、どうして…



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『…紅…調子どう?…』




「…晴!」



彼女のことが心配だった
何もしてやれる事はないと分かっていても自然と足か向いていて、気付いたとき晴は彼女の家に来ていた




『大丈………っ……ごめん…大丈夫なわけない!…っこんな言葉しか言えなくて…ごめん…私…何もっ、出来なかった…ご「晴!わかってる」




晴は下を向いていて紅から表現は見えない、それでも床に落ちる雫は彼女が泣いていることを伝えていた



体を震わせ謝り続ける彼女を紅は何も言わずそっと抱き締め「わかってる」と繰り返し言った


その言葉に耐えきれず晴は声を上げて泣いた




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こんなに泣いたのは初めてで、泣きたいのは彼女の方だと分かっていても止められず
結局、晴は彼女の胸を借り一頻り泣いた



『…紅、ごめん』


「もう謝らないで…」と彼女は少し膨らんだ自分の腹を愛おしそうに撫でる




「私はこの子の母親よ、泣いてばかりじゃ駄目だって思ったの、母は強いんだら!」





穏やかな顔の彼女を前に、いつの間にか晴の涙も止まっていた



『紅は、強いね…』


「強くなんかないわ…でもね、里のために戦った彼を私は誇りに思う…」



『…やっぱり強いよ…アスマは女を見る目たまけは確かだったってことか!』


「そうね!」


にっこり笑う紅に晴は言った



『…紅、アスマの愛したものは私が守るよ』




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彼女と別れた頃、もう外は暗く空には星が出ていた






『今度こそ守るから』





晴は夜空の星を見上げ、誓った
絶対に守ると


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