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異世界の住民【黒子のバスケ】

第9章 対戦


黒子達は、用意された黒いコートを手に持ち着る。サイズは、皆ピッタリだった。

「そんじゃあ、出発するぞ。けどな、無理はするな。……それだけの話だ。」

光瑠は、複雑そうな笑みを最初浮かべていたが、やがてふぅ~…と息を吐き出して真剣な瞳へと変える。

「出発するぞッ!生きて帰ってくるぞッ!!」

「「おぉぉー!!」」

光瑠の言葉に返事するかのように集まった部下達が声を張り上げる。

「皆、気をつけてね…。」

さつきは、心配そうな表情を浮かべながら黒子達を見る。さつきが心配するのは当たり前だ。何よりも黒子達にとっては初めての出撃するのだから。

「桃井さんは、此処に居て下さい。必ず、帰ってきます。」

黒子は、優しくさつきの頭を撫でる。さつきは、うん…と弱々しく返事を返し俯く。ドタバタとリビングを出て行くのだった。

光瑠の背中を見守るように、そして祈るように手を握り締める優花。

「どうか…光瑠様達を守って下さい。剛也様、理彩様……。」

「優花さん……。」

「あ、ごめんなさい。私は、祈る事しか出来ません。私は、戦闘馴れはしていませんから、行けないのです。いえ…行かせてもらえません。」

優花の言葉に目を丸くさせるさつき。優花は、拳銃を持っている為、戦いとか行ってそうなイメージが強いが実際は、一度も戦闘をした事がないみたいだ。

そして、行かせて貰えない…という言葉にも引っかかる。優花は、光瑠が行かせてくれない…と言い出す。

ずっと前に、行かせてくれないか、と説得してみるのも失敗に終わってしまった。それが、悔しかったみたいだ。だから、優花は祈ることしか出来なかった。
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