第9章 対戦
「脅してなどないよ。俺は、注意をしただけだ。」
赤司から言わせると氷室の言った通りに、紫原は途中で、放棄をしようとしたところを赤司が注意をしたみたいだ。
詳しく話を聞くと、途中で放棄しようとしていた紫原の首元に赤司が持っていた刀を突き付けたみたいだ。確かにそんな話を聞くと、紫原の言う通り脅しだ。
柚姫は、その話を聞いてクスと笑うのだ。そして、リビングの扉が開かれ杲良が入ってくる。その瞬間柚姫の表情が一気に変わる。よほど、警戒をしているのだ。
だが、その時柚姫と光瑠の目が見開く。やがて、2人同時に席をガタッ!と大きな音を立てる。そして、2人は同じ方向を見る。
「どうされましたか?」
賢次は、2人に声を掛ける。やがて、光瑠は鋭い瞳へと変える。それは、柚姫も同じだった。
「緊急事態だッ!結界の近くに、大量の突然変異が現れた!今、結界を壊そうとしているッ!準備次第、出撃だ!」
そう、突然変異達の攻撃がきたのだ。賢次中心に、返事をし出撃の準備を始める。そして、リビングが騒がしくなった。
「五月蝿い。結界は壊されないだろ?騒ぐ必要はないだろうに…。」
杲良は、呆れた表情しながらそんな事を言う。柚姫と光瑠は、目を細め杲良に睨み付ける。そして、柚姫は、椅子に掛けてあった黒いコートを手に取り、光瑠に向かって言う。
「お兄様、先に行ってます。お兄様は、皆様と来て下さい。」
柚姫は、それだけを伝え黒いコートを羽織り、リビングを出て行く。