第9章 対戦
しかし、それでも柚姫は青峰の連続攻撃を全て防ぐ。柚姫は、まだ余裕の笑みを浮かべている。
そして、ついに柚姫が動き始める。一旦、青峰の攻撃を受け止め更に青峰の攻撃を促す。それを見切った青峰は、隙をつかれまいと刀を再び振る。
しかし、青峰が持っていた刀をキーンッ!と吹き飛ばし、柚姫は青峰の首もとに刀を突き付ける。
「青峰、私の勝ちね!」
「あぁ、流石に参った…。だが、次は勝つからな!」
青峰は、悔しそうな表情を浮かべていたがすぐに表情が元に戻り、やがて満面の笑みを浮かべるのだった。
「凄いです。柚姫さんも青峰君も!」
「あぁ、文句なしの戦いぶりだったよ。」
黒子と氷室が拍手をする。はっきり言って柚姫と青峰は、この2人がいることをすっかりと忘れていた。それだけ、お互いに集中して戦っていた証拠だ。
青峰は、黒子と氷室が何故此処にいるのか疑問に思っていた為、柚姫が青峰に説明をする。術の練習だと分かった青峰は、何故かやってみたいと言い出していたが、それを阻止する柚姫。
「なんで、駄目なんだよ?俺にも出来るだろ?ソレ…。」
「いや、出来ないよ…青峰。青峰の場合は、攻撃タイプで、術の方が0に等しい。そんな、状態では身体への負担が大きくなるよ。」
「つまりは、術が出来ない分…刀の方に力があるって事でいいんだよね?」
氷室が分かりやすく説明すると、柚姫はコクリと頷く。更に言ってしまえば0という状態で、仮に術を使うと途中で必ず失敗するという。
唱えている途中で、爆発が起こると説明する柚姫。