第9章 対戦
青峰の一言に、クスと笑う柚姫。そして、柚姫も鞘から刀を抜き取る。青峰の言った通りに、本物の為斬った瞬間…怪我をする。
「大丈夫だよ、青峰はそのまま使って。私の場合は……。」
そして、柚姫は刀をクル…と反対に回す。斬れる方を上に向ける。そう、峰打ちだ。カチ…と静かに刀が鳴る。青峰は、面白そうに笑う。
「そっちから、どうぞ。青峰。」
柚姫は、先攻を青峰に譲る。青峰は、そうかよ!と言いながらしっかりと刀を握り締め、柚姫に向かって刀を一度振り上げ、すぐに下げる。
柚姫は、平然と青峰の刀を受け止める。キンッ!!と金属音が鳴り響く。キチキチと刀同士がぶつかり合って、鳴っている。
柚姫は、キーンッ!と激しく音を立てて一旦青峰から離れる。
「思っていた以上に、青峰って攻撃タイプだね。刀の重みが違うよ。」
「よく分からねぇが、どんどん行くぜッ!」
柚姫は、青峰が刀の方が得意だとは薄々感じていたらしいが、予想以上だという。青峰は、刀を右から左へと振る。が、実際は、それはフェイクのようだ。実は、左から右へとだった。
柚姫は、それを見抜き左から襲い掛かってくる刀を受け止める。キーンッ!と高い音が鳴り響く。
「本当に、驚いたよ…。今の攻撃、見抜けなかったら、私は斬られていたよ。」
「流石に、一筋縄じゃいかねぇか…。」
柚姫は、青峰の攻撃を関心していたが、青峰本人はどこか悔しそうな表情を浮かべていたのだ。それでも、青峰は連続で刀を振り回す。
やはり、攻撃タイプで一回一回の刀に重みを感じている柚姫。