第7章 訓練
そうだ、光瑠が頭首であることに気が付くべきだったのだ。頭首だある光瑠が、前の人が亡くなっていると考えるべきであったのだ。
その話を聞いた黒子達は、少々暗い雰囲気になる。あと…感じる事は空気が先程よりも重くなったという事を…。
「別に、お前らが気にする事じゃないぞ。俺とアイツが幼い頃に死んだ。今は…互いに記憶がボヤボヤしてて分からないがな…。」
光瑠は、寂しそうな瞳を一瞬見せたが、すぐに元の真剣な瞳に戻して席を立つ。
「そんじゃあ、俺も部屋に戻る。早めに寝ろよ。明日も訓練あるからな。」
光瑠は、一瞬だけ黒子達に意地悪そうな表情をしていたが、明るい声だった。光瑠、杲良はリビングを出て行く。
残った優花と何人かの使用人は、リビングの掃除を始める。それも優花が指示を出す。その時、火神は優花に尋ねる。
「あのさ、アイツらの両親って最後どうなった?」
火神の質問に、目を丸くさせる優花。唐突な質問みたいだ。
「火神君、何故それを気になるのですか?」
「いや、気になるから…。」
「気になるからって、質問するのはどうかと思うっスよ。青峰っちですら、質問しないのに…。」
「おい、黄瀬。そこで、なんで俺の名前が出るんだよ?!」
黄瀬の言葉に、確かに…と皆が同意するのだ。優花は、全ての使用人に片付けを済ませた後、この部屋から出るように指示を出す。
使用人は、優花や黒子達に一度頭を下げてリビングから出て行った。優花は、そうですね…と言葉をおいてから話始める。