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異世界の住民【黒子のバスケ】

第7章 訓練


「別に強くないよ。まだまだ…だよ。強くなって、皆を守りたい…そんな気持ちが強いだけ…。」

柚姫は、さつきにそんな事を言いながら何処か遠くの方へと見ていた。柚姫の瞳には、寂しそうに写っていた。さつきは、複雑な表情を浮かべて言った。

「それでも、女の子なんだから戦うって、ちょっとマズくない?」

「そうだね、さつきの言った通りだよ。でも、そんな理由で戦わないのは私は嫌なんだよ。」

柚姫は、視線をさつきの方に戻し微笑みながら言う。さつきは、そっか…と弱々しく呟いていたのだ。

そして、お互いにお風呂から出て、皆はサッパリとしていた。そのままで、リビングに向かう。リビングには、光瑠、賢次そして、杲良が椅子に座って待っていた。

光瑠は、黒子達を見てニヤリと怪しげな笑みを浮かべていたが、けして深い意味はない。どちらかと言うと、意地悪そうな顔をしていたのだ。

「どうだった?初体験の訓練は?」

「もう、あんな訓練、毎日やってるのね。流石に、驚いちゃった。」

まだまだ余裕そうな表情を浮かべながら、実渕が答える。ふっ…と僅かに笑う光瑠は、ふと黒子の方を見る。

「お前は、どうだった?」

「とてもキツいです。」

「テツは、死にかけたしな…。」

「青峰君、酷いです。僕は、生きてます。」

「いや、別に死んでねぇーって言ってねぇーよ!」

青峰の言葉に、ムッと頬を僅かに膨らます黒子。光瑠は、まぁまぁ…と青峰と黒子の間に入り、宥める。

ちょっとした波乱が起きたが、黒子達は自分達の席に座り始める。柚姫は、その様子をクスと笑うのだった。
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