第7章 訓練
洸汰は、その反応を見てやがて笑い出す。
「何勝手に想像してるんだよ?別に『首を落とす』っていう意味じゃないぞ。」
「はあっ?!でも、今そんな素振り見せたじゃねぇかよ!」
何故か急に怒り出す青峰。当たり前の事だろう、勝手に怖い想像していたのだから。確かにな…と笑いながら呟くように言う洸汰。
「首は落とさねぇが…『クビ』になるな。」
「結局、同じじゃねぇかよ!」
青峰の鋭いツッコミで苦笑をする洸汰。首を落とさない代わりに、クビにするという程、脅すのだ。どっちにしても、職を失うのは変わりない。
「にしても、柚姫ちゃんって強いよな~。てか、どこからあんな力が出てくるだ?」
高尾は、お風呂の天井を見上げながらそんな事を言う。その言葉に、僅かに顔を歪める洸汰。それも、かなり悔しそうに…。それに、気付いた赤司は落ち着いた口調で話す。
「悔しいのか?」
洸汰は、一度赤司の方を向いたが、すぐに視線を元の位置に戻し、1つ溜息を吐く。
「そうだな…。はっきり言って悔しい。柚は強い。だから少しでも強くなろうと、してるんだよ。」
「男のプライドっていうやつですね。」
黒子から出たプライドという単語に、苦笑をみせる洸汰は、やがて頷き天井を見上げるのだった。
一方で、女風呂に入っている柚姫とさつき。ふぅ~…と深く息を吐き出してから、顎の下まで浸かる柚姫。
「1つ、質問していいかな?柚姫ちゃんは、なんでそんなに強いの?」
さつきからの質問に目を丸くさせる柚姫は、やがてクスと笑い出す。