第7章 訓練
炎は、刃へと変わり空に向かって飛ぶのだった。空に向かった炎の刃は、自然に消滅する。柚姫は、感心すると同時に不安が過ぎる。それは、術を使い過ぎないだろうか…という不安というより心配だった。
「皆様、休憩をしては如何ですか?」
遠くの方から皆に声を掛ける優花。優花と何人かの使用人は、冷たい飲み物を持ってきて、1人1人渡していく。
「姫様もどうぞ。」
「ありがとうございます。」
柚姫は、優花から飲み物を受け取り、口に含める。少し甘めでサッパリとしている飲み物だ。皆は、美味しいと言い出す。その反応を見た優花は、嬉しそうにありがとうございます!と声を高くして言っていた。
やがて、充分な休息を終えて再び訓練を始めるのだ。やはり、黒子達は運動部…バスケ部なので呑み込みが早い。
日がだいぶ傾き、夕方となったので今日の訓練は此処までという事で解散となる。
「やべぇ~…筋肉痛になりそうだな~…。」
「だらしないのだよ、高尾。」
「だ、だらしないのかよ……。」
高尾は、筋肉を解す為、軽く両腕を回し始める。やはり、バスケの時の筋肉と刀を振る筋肉は違うみたいだ。厳しい訓練だったのか、黒子は火神に運ばれている。
「おい、黒子。…大丈夫なのかよ?」
「いえ、大丈夫ではないです。予想以上に、訓練が厳しかったので…。」
「折角だし、夕食まで時間はあります。お風呂に入っては如何ですか?」
そう、柚姫の言った通り、夕食までまだ時間はある。という事で、洸汰と黒子達は、風呂のある場所まで移動するのだった。