第7章 訓練
「黒子……マジで言ってるのか?」
火神は、黒子に確かめるように質問をすると、黒子はしっかりとした声で、はい、と短く答えるのだ。黒子は、優しさの入った瞳で柚姫を見ていた。
「彼女の戦っている姿見て、とても綺麗だなと思ったんです。そんな事考えていたら、鼓動が速くなったんです。」
黒子をよく見ると僅かに頬を緩めていたが、火神はあっそ…と呆れた表情を見せるのだった。黒子と火神の会話を黙って聞いている高尾だった。
「高尾、何をしてるのだよ?」
「ん?いや~、なんでもねぇよ真ちゃん。というか、ホント凄いよな~。」
高尾は、緑間に誤魔化しながら剣を左右に振る。それも急に振り回し始めたので、緑間に危ないのだよ!と注意をされる。
すると、洸汰は柚姫に尋ねる。
「姫様、術の練習してもよろしいですか?」
そう、洸汰は術の練習をしたくて柚姫に許可を求める。その話を聞いた柚姫は、複雑そうな表情を浮かべていた。
「…使って大丈夫なの?加減して使ってね。」
「はい、その辺は俺が一番分かります。大丈夫です。」
柚姫は、心配そうな表情をする。その理由は、術を使い過ぎると身体と精神に大ダメージを覆う為、何も出来なくなるのだ。洸汰は、ペコリと柚姫に頭を下げて離れるのだ。
離れた場所に移動した洸汰は、鞘から刀を抜き取り構える。そして、ゴゴゴゴ…という音が鳴り出し、洸汰の刀の周りに炎が纏い始める。
洸汰は、一度息を吐き出して、ギュッと刀を握り締め空に向かって、左から右へと降る。