第6章 強さ
「黙れッ!!!街人より弱い?ふざけてるのか?この僕が…街人より……弱い…。有り得ない!!」
急に声を張り上げる。それでも、光瑠は冷静な顔をしていた。やがて、五月蝿い…と呟くように言う光瑠。
「とりあえず、今は食事中だ。少し、黙ろうか。」
「………っ。」
光瑠は、いつもより低いトーンで杲良に向かって言って黙り込む。よく聞くと杲良は、舌打ちをしていた。この会話のおかげで、かなりリビングの部屋は重く感じていた。
やがて、暫くしてから昼食を済ませ、とっとと杲良は、リビングを出て行く。黒子達は、光瑠の約束の話があるためこの場に残る。
光瑠は、足を組んでゆっくりと口を動かすのだった。
「んじゃあ、約束通りに俺から話しておくぞ。いいぜ、戦闘に参加しても。」
この言葉に、黒子達は驚きの表情をしていた。そう、光瑠は黒子達に戦闘の許可を得たのだ。隣に座っている柚姫は、クスと僅かに笑っていた。
「光瑠様、本気ですか?!これは、あまりにも……。」
「洸汰。光瑠様が考えて、出した答えがこれです。分かってあげて下さい。」
賢次は、いつも通りの口調で洸汰に話し洸汰は、分かりました…と答え引き下がる。
「本当に、いいのかよ!?」
火神は、驚きながらも光瑠に質問する。光瑠は、あぁ…と声を出しながら頷く。やがて、スッ…と立ち上がる光瑠。
「訓練が必要だ。柚姫は、皆に案内しろ。俺は、武器を見てくる。」