第6章 強さ
高尾は、笠松に柚姫の笑顔が良いと勧めるも、笠松は女性が苦手という事で、お、おう…と言葉を濁らせながら呟くように返事をする。
「ホント?私も見てみたい!!」
更に、その話題にかぶりついてくるさつき。柚姫の笑顔の話題で結構盛り上がるのだ。その後、すぐに光瑠と杲良はリビングに入ってくる。
2人が来て、昼食の準備が始まる。机の上に次々と料理を並べていく。全ての料理が並べられ、各自それぞれ手を合わせて食べ始める。
「そうだ、柚姫。街の様子見て来ただろ?どうだった??」
「はい、とても平和でしたよ。皆、明るく過ごしています。」
柚姫の言葉を聞いた光瑠は、頬を緩ませて良かった…と呟くように言う。光瑠は、とても嬉しいんだとよく分かる。
「お前らの内容には、理解できん。何故、其処まで戦えない者達を守ろうとする?弱いだけではないか。」
杲良は、吐き捨てるように言うと柚姫と光瑠の瞳が一気に変わる。怒りを表している。光瑠は、一度杲良を睨み付けるようい見てから、すぐに視線を料理に戻す。
「強い者が弱い者を守るのが当たり前だ。それにその弱い者の分野に、俺達から見て叔父上も入っている。」
「今何て言った?光瑠…。」
杲良の瞳も怒りに変わり光瑠に睨み付ける。光瑠は溜息混じりながら静かに言う。
「だから、叔父上。俺達から見て、叔父上は弱い。というか、あの街人よりも断然弱い。とくに、何もしないでのんのんと生きて城で贅沢をし偉そうにしている。どれだけ街の人の方が強いか俺達が一番知っている。」