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異世界の住民【黒子のバスケ】

第6章 強さ


高尾は、僅かに頬を染めて緑間に同意を求めるが、緑間は高尾とは違い顔を真っ赤にさせ、慌てて返事をする。

「本当に、2人ともどうしたの?顔が赤いけど、熱でもあるの?」

「え?もしかして、柚姫ちゃんって鈍感なの?」

高尾の言葉に、柚姫は目を丸くさせ鈍感!?と驚きながらそんな事を言っていた。高尾は、1人で苦笑しながら柚姫に、何でもないと言う。

高尾は、緑間だけではなく柚姫も鈍感だと初めて知った。緑間の鈍感さは高尾が一番分かっている。

緑間本人は、どうして顔を赤くなっているのか頭の中が混乱していたのだった。

──いや、マジで鈍感で助かった~…。

高尾は、1人でそんな事を思っていた。高尾の心臓の音は、いつもよりも増して、速かった。それを隠すかのように、ケラケラと笑うしかなかった。

それは、緑間も同様な事だった。柚姫の笑顔を見た瞬間から、心臓の音が速く何よりも五月蝿く感じてはいたが、鈍感な事によって何故速くなったのかは、分からなかった。

柚姫は、さて…と呟きながら腰を持ち上げる。太陽は、先程よりも高く上がっていた。

「そろそろ、戻ろうか。もう、お昼みたいだしね。」

「そうだな、戻ろうぜ!!なぁ、柚姫ちゃん。もっと仲良くしてぇーから、俺の事名前で呼んでくれねぇ?」

まさかの高尾からのお願いだ。緑間は、とても驚いていたが、柚姫は微笑んで高尾のお願いを聞き、頷く。

「いいよ。宜しくね和成。」

「おう、宜しく!!」

「………。」

柚姫と高尾のやり取りを見ていた緑間は、僅かに顔を歪ませていたがそれは完全に無意識。緑間の心の奥で、モヤモヤという気持ち悪いのを感じていた。
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