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異世界の住民【黒子のバスケ】

第6章 強さ


その様子から柚姫は、クスと笑うだけだった。何も言い返さない。小さな女の子の言う通りだ。

柚姫も女だ。それも、まだ若い。だから言い返さない。いや、言い返せないんだ。だから、笑うしかない。柚姫は、使命として守りたい想いで、いつも戦っているだけだ。

もう一度、柚姫は女の子に頭を優しく撫でてその場から離れようとする。

「緑間、高尾…行こうか。」

「えっ?わ、分かった…。」

柚姫は、2人に声を掛けて歩き始めると高尾と緑間は、慌ててその後を追いかけて行く。

「あのまま、良かったのか?」

緑間が、背を向けたまま歩いている柚姫に話し掛ける。しかし、柚姫は緑間の返事せず、無言で歩く。

その様子から緑間と高尾は、お互いの顔を見て首を傾げる。だけど、2人はとりあえず柚姫の後を追い掛ける。

数分歩き、いつの間にか街から少し離れて、木が沢山生えている森に入っていく。もしかしたら、突然変異がいるんじゃないかと、緑間はそう感じていた。

高尾の【鷹の目(ホークアイ)】によると、突然変異という生き物は全くいないという。草木が生えているだけだと言う。

やがて、緑間と高尾の目の前に大きな湖が現れる。其処で、柚姫の足が止まる。

「此処は、突然変異なんて来ないよ。結界の中だからね。何よりも私のお気に入りの場所。」

「やべー!ちょー綺麗じゃん!!」

湖を見て急に、テンションを上げる高尾。そのままの勢いで、湖の近くまで寄っていく。緑間も、ゆっくりと湖に近付く。チラッと緑間は、柚姫を見た瞬間…目を見開く。
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