第5章 守る者達
それに、気付いた黒子はさつきに質問をする。
「どうしたんですか?桃井さん?」
「え、えっとね…。朝から柚姫や光瑠さんがいないんだって。」
さつきの一言に、皆はとても驚いていた。実は、さつきは優花と一緒に寝ていて、朝起きてすぐに優花から聞いた話だ。
「朝から王と姫が居なくなるとは、どういう事なのだよ…。というか、どういう神経しているのだよ…。」
緑間は、呆れた表情をしながら眼鏡を掛ける。2人とも朝から居なくなるとは、ある意味国での問題だ。もし、2人に何かあった時の場合を考えれば、最悪な事態を招くことになる。
再び、扉からコンコン…というノック音が聞こえ、許可をすると其処に入ってくる火神達の姿があった。
「なんか、やけに外が騒がしいな…。」
火神達もそんな違和感を持っていたらしい。さつきは、今入ってきたメンバーにもこの事を伝える。
「へぇ~…、あの2人が消えたか…。ヤバくねぇーか?!じゃあ、俺の【鷹の目(ホークアイ)】で見つけるか…。」
高尾がそんな事を言い始め、高尾の能力が発動する。しかし、城の中は高尾が思ってた以上に広く、途中で断念。
「とりあえず、リビングとかに行ってみねぇーか?何か分かるかもしれねぇし…。」
「笠松先輩の言う通りっスね。」
という事で黒子達は、リビングに向かう事になった。リビングは、途中でエントランスを抜ける。
エントランスを移動している最中、いきなりバタンッ!と勢いよく扉が開く。黒子達は、何事かと思いその方向を見る。其処にいたのは…。
黒いコートに、大量の血が付いている柚姫と光瑠の姿。