第5章 守る者達
柚姫がそんな事を言ってると、赤司は柚姫に手を伸ばし頬に触る。
「熱いな。熱でもあるのか?それに、名前で呼んで欲しい。」
そう、柚姫の頬は僅かに赤く染まっていた。その理由は、毒による熱という事だ。柚姫は、赤司が伸ばし手を包むように握り自分の頬に押し付ける。
「征十朗の手…冷たくて気持ちいい。毒のせいで、今、熱が上がっているみたい。でも、大丈夫だよ。治るから…。」
柚姫は、微笑んで赤司をみる。だが、それに対して赤司は心配そうな顔をする。それでも柚姫の瞳は、とても綺麗で大丈夫という真っ直ぐな物を表していた。
赤司は、そうか…と呟くように言う。やがて、柚姫は赤司の手を放して一歩後ろに下がる。
「そんじゃあ、私は部屋に戻るね。明日もやることがあるから。部屋の案内は大丈夫そう?」
「それは、心配ない。ありがとう。おやすみ。」
赤司は、柚姫に向かって笑うと柚姫も笑い赤司に向かって、おやすみと言い城の中へと消えていく。赤司の心こ中でも、黄瀬や紫原と同様に柚姫を守りたいという気持ちになる。
赤司は、夜空を見上げるとキラキラと星達が綺麗に輝いていた。
「…守りたいな。絶対に、何がなんでも…。」
赤司の声は、夜空へと消えていくのだった。翌日になり、それぞれ起床する。その時、黒子達がいる部屋の扉からノック音が聞こえてきた。
「入っていいぞ。」
赤司が、入る許可をすると…入るよ~とさつきの声が聞こえてきた。其処で、お互いに挨拶をする。その時のさつきの表情は、何処か焦っているように見えた。