第5章 守る者達
そう、赤司は柚姫の体調を気にしていたのだ。紫原は、う~んと唸り声をあげながら、さっきの様子を思い出す。
「顔色は、悪かった。ご飯も食べてないみたいだよ~。」
「やはり、毒か……。」
赤司が、ポツリと呟くように言うと黄瀬は、深刻そうな表情を浮かべる。まだ、黄瀬は責任を感じているみたいだ。やがて、この世界でお互いにやることが決まり、電気を消し就寝する。
暫くしてから、皆は深い眠りについた頃、赤司はゆっくりと瞼を開け、上半身を起こす。黒子達は、規則正しい寝息を立てている。何故か、眠りから覚ましてしまった赤司は、皆を起こさないように、ベットから下りる。
靴を履き、ギィ…と扉を開け部屋を出る。そのまま、外へと出て行く。赤司は、外の空気を吸いたくなったみたいだ。外の扉を開けると、其処には柚姫がいた。
柚姫は、綺麗な瞳で夜空に輝いている星を見ていた。赤司の気配に、気付いたのか柚姫は、赤司の方向を見て微笑んでいた。
「今晩は。眠れないのですか?」
「いや、何故か目が覚めてしまってね。ちょっと、外の空気を吸いにきたんだ。」
赤司は、ふっ…と笑いながら柚姫の横まで歩き隣に立つ。よく見れば、柚姫の顔色はまだ、あまり良くはない。完全に、毒は抜けてないみたいだ。
「自己紹介まだ、でしたね。神禮柚姫です。宜しくお願いします。」
「敬語はいらないよ。俺は、赤司征十朗だ。宜しく。」
赤司に敬語はいらないと指摘された柚姫は、一瞬だけ目を丸くさせたがすぐに、表情が戻りコクンと頷く。
「改めて宜しくね、赤司。」