第5章 守る者達
氷室は、深刻そうな表情をする。その氷室を見た皆は、黙り込み更に空気が重くなったのだが、それをすぐ打ち破るように笠松が言う。
「とにかく、俺は役に立てるのなら何か手伝う事に決めた。」
「そうねぇ、じゃあ私もそんな考え方にしようかしら?」
笠松の言葉に、同意をし頷く実渕。高尾は、ある意味戦う事を決意する。火神は、ゴロンとベットに横たわり天井を見上げる。
「俺も黒子次第でいい。まぁ、一応覚悟だけはしておく。」
「大我は、やっぱりそうか。俺も、考えておこう。」
氷室、火神、高尾は一応の事を考え命を捨てる覚悟を決める。けど、それを許可するのは光瑠達である。光瑠達が、どんな答えを出すかは、さすがの火神達にも分からないだろう。
肝心な紫原は、結局迷子になりながらも自分の部屋に着き、扉を開ける。
「おせぇーよ、紫原。」
「ん~??あ~、迷子になってたから遅くなっちゃった~。」
青峰に文句言われたが、紫原はいつも通りのマイペースな答えを出す。紫原君らしいです…と黒子はそんな事を言っていた。
紫原は、自分のベットでゴロンと寝始める。
「あ、俺~、柚ちんの為に戦うよ~。」
紫原の一言に、皆は目を丸くする。紫原の事だから恐らく皆は、戦わないというイメージがあった。というか、想像をしていた。
「柚ちんって……まさか、柚姫っちに会ったんスか?!」
黄瀬の質問に、うん…と頷く紫原。迷子になって柚姫の部屋に辿り着いた事も話す。それに対して、黄瀬はズルいっス!!と騒ぎ始める。
それを遮るように赤司が紫原に言った。
「紫原、その柚姫の体調はどうだった?」