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異世界の住民【黒子のバスケ】

第5章 守る者達


紫原は、それだけを言って柚姫の部屋を出て行ったのだ。部屋に残った柚姫は、撫でられた頭を自分の手で触る。

「……暖かった……。」

自然と柚姫の頬が緩くなって、笑っていた。そして、再び窓から見える月を見た。

──守らないと、この世界とあの人達も…。

柚姫の心の中で、固く誓うのだった。

一方で、別の部屋で話している火神達も今後の事を話していた。

「今後、どうすんだよ?」

火神が皆に問い掛けると、それぞれ微妙な反応をする。当たり前の話だ。よく分からない世界でどうやって生きていく事が、どれだけ重要な事だ、という事を…。

「そうねぇ~。今頃、征ちゃんだったら、戦うって、きっと言うわね…。」

実渕がそんな事を言うと、他の皆は目を丸くさせる。

「けど、それってマズくないか?」

笠松が、真剣な瞳で実渕を見ると、それを同意するかのように氷室も隣で頷いていた。

「命を捨てる事になる……。」

氷室の一言に、空気が更に重くなる。そうだ、この世界はとても物騒な世の中。いつ死んでもおかしくはない。

「よくわかんねぇけど…俺、真ちゃんが戦うって言ったら、俺も参加する。」

「高尾…マジで言ってるのかよ!?」

火神は、驚きながらも高尾に聞くと、コクンと素直に頷く高尾。どうやら、高尾は覚悟が出来ているらしい。

「まっ!エース様が出るなら普通しょ!正直言って、相棒を失いたくはないっていう想いの方が強いな…。」

声を高くして話していた高尾の声が、急に真面目な声を出す。

「相棒か…確かに、失いたくはないな…。それに、今まで共に戦ってきた仲間も…な。」
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