第5章 守る者達
勿論の事、この行動に驚く黒子達。
「姫様に、近づかないでくれますか?杲良様。」
鋭い瞳、更に睨み付けるように見る優花。いつでも、引きがねを引ける状態だった。迷いはない瞳だ。そして、洸汰も同様だ。
全く迷いはない。相手がどんなに偉い人でも殺せる瞳を持っていた。杲良は、諦めたのか 柚姫に伸ばした手を引っ込める。
それを確認した優花と洸汰は、剣と銃をしまい、離れる。
「叔父上、今から警告だけはしておく。この状態が続けば…追い出す可能性があるという事を…な。」
光瑠は、睨み付けながら杲良に警告をする。杲良は、無言で光瑠を睨む。その時、スッと立ち上がる柚姫。料理は、手付かず。何も食べてはいない。
「姫様、何かお口に入れないと倒れてしまいますよ?」
優花は、慌ててそんな事を言い始める。やはり、心配なのだ。柚姫は、微笑んで静かに言う。
「…大丈夫ですよ…ちゃんと、食べます。けど、今は食欲がないだけなので…。部屋に、戻りますね。」
「それでは、後程…姫様が食べやすいようなあさっりしたデザートをお持ちします。」
優花の言葉に、少しと驚きの表情を見せる柚姫だったが、しっかりと頷く。遠くの方からは…。
「え、デザート!?欲しい~。」
まるでご褒美が欲しい犬のように、目を輝かせながらガタッ!と立つ紫原。座れ…と呆れた顔を見せながら紫原に注意をする氷室。
「姫様、行きましょうか。」
「えっ?洸汰は、食べないの?洸汰の分、用意されてるのに…。」