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異世界の住民【黒子のバスケ】

第4章 唯一の国


賢次に、注意された洸汰はぐぅ…と黙り込む。実渕は、気にしなくていいのよ、と洸汰に声を掛ける。とりあえず、洸汰はコクリと頷くだけであって、黙っていた。

「携帯は電気だけじゃ駄目なのだよ。電波が必要なのだよ。」

「そういえば、此処に来てから電信柱が一本もなかったな。」

緑間が言った後、赤司は城の外の風景を思い出すかのように言う。だけど、この言葉は、光瑠達には通じない。いや、分からないのだ。だが、ここまで言えば分かる事だ。

この世界は、黒子達にとって別の世界だと…。

「信じるしかないね。此処が、別の世界だってね…。」

さつきは、そんな事を言いながら不安な表情を浮かべる。無理もない話だ。全く知らない場所に来てしまったのだから。ふっ…と急に頬を緩ませ軽く笑う光瑠。

「俺達が責任持って、お前達の世界に帰る方法を探す。それまで、耐えてくれ。結界が入っているこの場所なら安全だ。」

「光瑠様の命令で、私達は命懸けで貴方様達を守ります。」

賢次は、静かに言う。柚姫は、静かに微笑んで皆を見ていた。黒子達は、複雑な表情を浮かべる。光瑠は、ふと窓から見える空を見た。

先程よりも暗くなってきた。

「折角だ、このまま夕食を取ろうか。大変だろうが、準備をお願いな優花。」

「かしこまりました。只今、準備をしてまいります。」

優花は、光瑠に向かって深くお辞儀してリビングを出るのだった。

「このまま、食べてもいいのか?」

赤司は、柚姫に問い掛ける。
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