第4章 唯一の国
「そうだ、黄瀬。お前、携帯確認してみろ。」
「携帯っスか?」
青峰に言われた黄瀬は、自分の携帯をポケットから取り出す。そして、黄瀬は携帯の電源のボタンを押すが、無反応だ。黄瀬は、あれ?と声を漏らす。
「ど、どういう事っスか!?」
「お前だけじゃねぇ。皆もそうだ。」
笠松は、黄瀬にそんな事を言いながら笠松の携帯を黄瀬に見せつける。皆の携帯は、無反応で画面が真っ暗。このリビングは、部屋は明るい別に火を使っているわけではない。
そう、恐らく電気で動いているが、それでも何故携帯が通じない…と疑問に思っている黒子達。決まりだな…と呟くように言う光瑠。その事に、頷く柚姫。
「どうやら…お前達って異世界の住民らしいな。」
光瑠の言葉に、皆は目を丸くさせる。
「異世界の……住民…ですか?」
黒子が光瑠の言葉を疑うような質問をする。そうだ…と当然のようにコクリと頷く光瑠の姿。
「俺達は、ケイタイとやらは知らない。」
「更に言えば、此処に来る前の話に戻りますが、ヒコウキ…という言葉も知りません。」
柚姫と洸汰が、黒子達に出会いペガサスで移動している時の会話を思い出しながらそんな事を言う。信じられないという顔をする黒子達。
「じゃあ…テレビという物は知っているかしら?」
実渕が、2人に聞く。そう、此処の城を来てから、テレビが一台も置いてない事に、気づいた実渕。だからこそ、質問をしたのだ。お互いの顔を見て首を左右に振る。
「それって、どういう物だ?何かの道具か?」
「洸汰、敬語を忘れてはいけません。お客様なのですから。」