• テキストサイズ

異世界の住民【黒子のバスケ】

第4章 唯一の国


光瑠は、目を細め更に鋭くさせ杲良を捉える。杲良は、チッ…と舌打ちをして剣を鞘に入れる。だが、答えようとはしない。

光瑠は、チラッと柚姫の右腕の傷を見る。どうやら、元から分かっているみたい。柚姫の血は、流れ床に落ちてその場が赤く染まる。それでも、平然と立つ。

ギリ…と歯を食いしばる杲良。やがては、声を張り上げる。

「何故、僕の思い通りにならないッ!何故ッ!!!?此処の城主──」

「城主は、お兄様です。神禮一族の頭首も、お兄様です。叔父様ではありません。」

杲良の言葉を塞ぐように、柚姫はそんな事を言って、瞳は杲良を捉える。杲良は、苛立ちで顔を歪める。そして、その場を逃げるように何処かへと歩き出した。

「とりあえず、色々合ったみたいだな。無事で何より…と言いたいとこだが……。そうでもなさそうだ。治療を受けろ。お前の客人は、俺が何とかする。」

光瑠の言葉に、頬を緩ませ微笑みを浮かべる柚姫。賢次は、刀を鞘にしまう。光瑠や賢次は、動きやすい格好をしていた。

すぐ何かあってもいいように、なるべく軽めの服装を着用している。

「分かりました。自分の部屋に行って治療してきます。皆さんは、お兄様に付いて行って下さい。」

柚姫は、黒子達に向かって微笑みながらそんな事を言って背を向けた瞬間…。

「その治療…俺にも手伝わせて欲しいっス!」

黄瀬は、柚姫に向かってお願いをする。足を止め黄瀬を見る柚姫。
/ 126ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp