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異世界の住民【黒子のバスケ】

第11章 狂気


柚姫は不思議に思いながらも、許可を出すとゆっくりと扉が開かれる。

「ごめんね、ちょっといいかな?」

部屋に入ってきたのは、さつきだった。柚姫はさつきにいいよ、と笑顔を見せてさつきを呼ぶ。さつきは、柚姫の隣に腰をかける。

「柚姫が心配になっちゃって。」

「私なら大丈夫だよ、さつき。」

柚姫はさつきにそんな事を言っても、どうも瞳はゆらゆらと左右に揺れていた。やがて、さつきはねぇ…と弱々しく柚姫に問い掛ける。

勿論、柚姫は首を傾げてさつきの話を聞き始める。

「私達が元の世界に帰ったら、柚姫達とはもう会えないの?それに、二度と…。」

その言葉は、かなり重々しい。さつきの言った通り、いずれかさつき達は元の世界に帰られなくてはならい日が必ず来る。

だが、それを打ち破るかのように柚姫はクスと笑いだし、さつきに小指を差し出す。

「じゃあ、さつき…約束しよう。また、貴方達と会う約束を……。」

「え?そんな事…出来るの!?」

「どうだろうか…。今の私には何が出来るかは分からない。けど、約束すればきっと願いは叶う。だから、会う約束を…この場で……。」

「……うん、柚姫の事は信じるよ!きっと、また会おうね!約束だよ!」

さつきも小指を差し出し、さつきと柚姫の小指が絡め合い上下に、動かす。指切りげんまんだった。

約束したさつきは、満足したのか満面の笑みを浮かべて部屋を出て行った。すると、入れ違いで、光瑠が部屋に入ってきた。

光瑠は、真剣な瞳へと変えて柚姫に話し始める。
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