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異世界の住民【黒子のバスケ】

第11章 狂気


「そりゃ…生きてっから温かいだろうよ…。」

青峰は、先程よりも僅かに抱き締める力を強める。まるで、何かを確かめるような仕草を見せる。

抱き締めあってから、数分後ゆっくりとお互いの身体が離れる。ずっとくっついていたから、身体は温かったが離れてしまった為、冷たい風を感じる。

「ありがとう、青峰。とても助かったよ。」

「どーってことねぇーよ。」

「本当に、ありがとう。おやすみ!」

「……あぁ…。」

やがて柚姫は、青峰にジャンパーを返して笑顔で振る舞い、城へと戻っていく。勿論の事、柚姫の笑顔を見た青峰は、一瞬だけ動揺したが、すぐにいつも通りにする。

外に残された青峰は、脳裏で柚姫の笑顔がこびり付いて、なかなか離れられない。青峰は、柚姫が見ていた夜空を見た。

やがて、僅かに笑みを零した青峰は城へと戻るのだった。翌日になり、朝食の時間へとなるとやはり叔父…杲良の姿がなかった。

本当に追い出したのだ。光瑠は、口に水を含ませて賢次に尋ねる。

「叔父上は、どうした?」

「同族殺しとはいえ、やはり同じ血を持っているので、とりあえず部屋に閉じ込めました。」

賢次の言葉に、光瑠はそうか…と呟くように答える。光瑠でも杲良にどう接していいか分からない。同族殺しとはいえ、同じ血を持っている人間だ。

それは、柚姫の気持ちも同じだ。今日の朝食は、どこか寂しい雰囲気で食べるのだった。柚姫は、1人で部屋から見える空を見ていた。

その時、柚姫の部屋の扉からノック音が聞こえてきた。
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