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異世界の住民【黒子のバスケ】

第11章 狂気


青峰は、自分が着ていたジャンパーを柚姫の頭の上から着させる。少々乱暴だったが、青峰の温もりを感じる柚姫。

柚姫は、弱々しくジャンパーを握り締め再び夜空を見上げて、呟くように言う。

「……夜空を見てたら、気が紛れるんじゃないかと思ってね…。」

柚姫の言葉もいつものではなかった。とても寂しそうな声で、何よりも元気の欠片もなかった。青峰は、面倒くさそうな素振りを一瞬見えたが、柚姫の隣まで歩み寄る。

そして、ガバッと柚姫を抱き締める。勿論の事、突然の出来事に柚姫は目を見開く。

「…まだ、泣きたいんだろ?だったら、我慢しねぇーで、泣けよ。」

その言葉は、とても優しく温かさが伝わってきて、柚姫の心に響く。その瞬間から、ポロポロと柚姫の瞳から涙が流れ始める。

震える手で、青峰の服を弱々しく掴み柚姫は青峰の腕の中で静かに泣き続ける。その間も、青峰は柚姫の頭を優しく撫でていた。

暫くしてから、ゆっくりと顔を上げる柚姫。

「……ごめんね……。」

「別に、なんとも思ってねぇーしよ。我慢すんのは、ストレスに溜まんぞ?」

青峰の言葉を聞いた瞬間、柚姫はクスと僅かに笑う声が青峰の耳に入ってくる。勿論の事、青峰はなんだよ…?と不機嫌な声が柚姫の頭上から聞こえてくる。

柚姫は、首を左右に振りなんでもない…と静かに答え、ゆっくりと青峰の背中に腕をまわす。これは、ある意味柚姫の甘え方だった。

「青峰…温かい……。とても……。」
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