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異世界の住民【黒子のバスケ】

第11章 狂気


杲良は、それだけを伝えリビングを出て行った。出て行った事を確認した洸汰は鞘に刀を収める。

光瑠は、軽く舌打ちをして椅子に座る。柚姫は、力無く立ち上がり扉に向かって歩き始める。

「姫様、何処へ?」

「ごめん、1人にさせてくれない…?」

それだけを言った柚姫は、リビングの扉を開けて静かに閉じる。柚姫の背中は、どこか寂しさが伝わってくる。しかし、誰も何も言わない。いや、言えないのだ。

やがて、ふう~…と静かに息を吐き出して、黒子達に向かって言う光瑠。

「すまないな。見苦しい所を見せて…。まさか、同族殺しがいたなんて…思ってもいなかった。」

「あの、光瑠さんは大丈夫なんですか?」

黒子が、恐る恐る光瑠を尋ねる。どうだろうな…と苦しげな笑みを浮かばせて答えたのだ。

激しい雨風、鳴り響く雷。こんな最悪な天気で最悪な出来事は久しぶりに味わった光瑠と柚姫だった。

そして、光瑠の脳裏では杲良が言った言葉がこびり付いていた。あれは、一体なんの意味を持っているのかと…。

そんなドタバタ状態で、今日は1日となってしまった。夜には、あの激しい雨風が嘘のように止んだ。

柚姫は、まだ母である理彩が杲良によって殺された事は、信じたくはなかった。雨上がりなのか、外は少し冷え込んでいたのにも関わらず、柚姫は1人で夜空を見上げていた。

「そんな薄着だと、風邪引くぞ?」

柚姫の後ろから突然と声が聞こえ、振り向くとそこには青峰がいた。
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