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異世界の住民【黒子のバスケ】

第10章 恨み


なんやかんやで、数日が経ち黒子達もこの世界には、だいぶ溶け込んでいた頃だった。いつも通りに、訓練し討伐を終えた柚姫は、深い睡眠へと入った。

そう、此処まではいつも通りだった。今日に限って、ボヤボヤとした夢を見始める。それは、柚姫が小さい頃の夢だ。

雷の音がとても怖く感じてしまった柚姫は、自分の部屋を出て行って理彩の部屋…母の部屋へと向かって行った。

激しい雨の音、嫌いな雷の音が柚姫の耳に入ってくる。母の部屋の扉が、僅かに開いていた。不思議に思った柚姫は、ゆっくりと部屋を覗く。

「くっ……あ、………はっ………がぁ……。」

其処には、苦しげな声を出す理彩の姿が見えたが暗くて、よく見えない。柚姫は、不思議に思って入ろうとするが、夢のせいなのか身体が一切動かない。

気になって気になって仕方ない。しかし、動かない者は仕方ない。それでも動こうと必死になる。やがて、白い光に包まれ意識はそこで途絶えた。

重い瞼を開けると、夢の続きなのか朝から天気が悪かった。激しい雨が降り更には、強い風の音。それだけではなかった。嫌いな雷の音までしっかりと耳に入ってくる。

重い気持ちを持ったまま、柚姫はリビングへと向かうのだ。リビングには、黒子達にいつも通りのメンバーが揃っていた。

柚姫は、自分の席に座り朝食の料理を待つ。

「随分と、げっそりとした顔だな。なんか、変な夢でも見たのか?」

心配そうな表情を浮かべながら柚姫に質問をする光瑠。柚姫は、首を左右に振り、なんでもない…と伝えるのだ。
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