第10章 恨み
そう、杲良とは同じ血を持っているのにも関わらず、仲が悪いのだ。でも、何故こんなにも仲が悪いのか皆は不明だった。
光瑠と柚姫の表情が、氷のように固まる。マズい事聞いたかなー?と高尾は、心の中で思っていて、焦りを感じていた。
やがて、光瑠は一度溜息してから杲良が出ていたリビングの方向を見る。
「アイツは…叔父上は…。父と母の死を唯一、嘲笑った人だ。それが、どうしても許せない。」
「元々、お父様と叔父様は仲の悪い兄弟でした。ずっと、喧嘩していました。だから、兄であるお父様の死を知った時は、ずっと嘲笑っていました。」
柚姫の瞳には、悲しみが宿っていた僅かに左右に泳いでいた。逆に、光瑠の瞳は、真っ直ぐで怒りを露わにしていた。
高尾は、悪い事聞いたなーと思いながら反省をしていたのだ。それでも、2人は高尾を責めたりはしない。やがては、そうだ…と言葉を零す光瑠。
「柚姫、例の物完成してるか?」
「勿論です。既に完成していますよ。」
返事をした柚姫は、小さな袋から何やら物を出し始める。その袋から出てきたのは、綺麗なブレスレットだ。それを、光瑠に渡す。
「おぉー、出来てるな。さすがだな。…ってなわけで、お前らこのブレスレットを付けろ。」
柚姫が作ったブレスレットを、黒子達に渡していく。勿論の事、黒子達は不思議に思いながらも、それぞれ腕にブレスレットを身に着ける。
「なんですか?コレは…。」
黒子が光瑠に質問をする。
「簡単に言えば、お守りだ。ある一定の突然変異の攻撃をくらわないが…耐えきれなかった時、そのブレスレットが壊れる。」