第10章 恨み
「そういえば、洸汰と出逢った頃が懐かしいな~…。」
柚姫は、微笑みながら昔の事を思い出していた。そうだな…と呟くように言う光瑠。
「アイツとどうやって知り合ったんだ?」
火神は、2人に質問をする。柚姫と光瑠は、お互いの顔を見てクスと笑い、洸汰と出逢った頃を話し始める。
「俺や柚姫が、アイツに会ったのは今から、12年前の事だ。」
「いきなり現れた洸汰は、私の目の前で跪いたんだよね。あの時は、びっくりしたよ。」
「跪いたー!?」
火神は、あまりの驚きに声を張り上げる。2人揃って、コクリと頷く。それもどこか楽しそうな表情を浮かべて。そう、2人が洸汰に会ったのは、今から12年前の事だ。
まだ、洸汰は武器を持たずに、訓練している柚姫の前に現れた、いきなり跪いたのだ。
「俺は、貴方を守りたいッ!貴方の護衛役に雇って貰えませんか!?」
洸汰が最初に言葉にしたのがそれだった。勿論の事、柚姫や光瑠は当時驚いていたみたいだ。しかし、その時から光瑠は頭首だった為、すぐに洸汰を護衛役として認定した。
「流石に、あの時は驚いたなー。けど、アイツの瞳を見たら、断れなかった。それだけ、アイツの想いが強かったんだ。」
光瑠は、面白そうに洸汰の事を話す。勿論の事柚姫も、洸汰の護衛役を認めていた。
すると、高尾が光瑠にあることを質問をする。誰もが今まで思っていた事だ。
「1つ質問、いいっすかー?なんで、叔父と仲悪いんだー?」