第3章 受け入れざる世界。
「ハトに手を出したということは
すべての責任を彼女が負う覚悟をしたということ
生きるも死ぬも他人が関与することではない」
なにを言っているのかわからないのか、
青年は戸惑っている。
「そんな…でも
あんていくは助け合いだって」
「じゃあ君は
あんていくの喰種だけで数百数千の捜査官たちに立ち向かえると思うかい?」
その言葉に青年はグッと何かを飲み込んだ。
「店長は色んなことが見えていて
その上で判断されているんだと思います
…でも僕には捜査官に手を出すことがどれほどの覚悟なのかも喰種の世界の掟も…何ひとつわかりません」
次の言葉には青年の決意が現れていた
「だから僕はちゃんと自分の目で見てから
どうするか決めます!」
そうして青年は走って行った。
「……………うん」
走り去った青年の背に
店長はただ微笑んで頷いた。