第5章 繭
「家の前で30分も立ってたんだって
気持ち悪くない?」
「へー」
「…………」
嫌味な言い方に金木くんは
苦い顔をして黙ってるままだ
「…ヒヨコちゃん、髪…」
「あ、ほんとだ
髪切ったの?」
「う…うんっ
お姉ちゃんが切ってくれたの」
「へーすごいね!お店でやったみたい」
動揺し合うふたりがおもしろくて
私は気づかれないように笑った
「そ、そうでしょ
つーか、何しに来たの」
「あ、、うん
店長からヒナミちゃんの部屋づくりで大変そうって聞いたから」
本当は何を思ってるか、金木くんの顔を見ればわかるけど