第5章 繭
「例の事件、聞いたぁ?」
「喰種捜査官が殺されたって?
こわいよねぇ」
つい先日のことなのに
あの捜査官の死はあっという間に
ニュースになり知らない人がいないだろう
朝早くから暇で歩いていると
偶然金木君に会った。
「あ……」
「金木君…」
「おはよう!なにしてるの?」
何に気を使ってくれているのか
金木君はニコッと笑う
「なんにも、金木君は?」
「これから病院なんだ」
「病院…?」
金木君は私を見て微笑む
「うん、いろいろあって通院してるんだ」
「そう、なんだ」
金木君は私を不思議な気持ちにさせる
金木君の笑顔は私の頭をぐらぐらとさせる
金木君は人を寄せ付けるものがあるのかな
「…一緒にいく」