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誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】

第15章 Student representative


「 木蓮のつぼみが膨らみ始め、春の訪れを感じさせる頃になりました。今日、多 数の御来賓・保護者の皆様の御出席のもとにこのような盛大な卒業式を挙行して いただきますことを卒業生一同、心より御礼申し上げます。 私達がこの改方学園高等部に入学して、三年がたちます。この三年間は私にとって、とても充実していたと思います。しかし、楽しいことばかりではなく辛いことや悔しいこともたくさんありました。私にとって一番つらかったのが持病である肝臓病が酷くなり一年、留年してしまったことです。同級生の人は皆、私より上の学年に上がっていくのに何故自分だけが…。という思いが心の中に強くあって毎日がとても辛く、悔しかったです。そんな時に支えてくれたのは父と母でした。留年が決まった時の私は不満と嫌みしか言うことが出来ず父と母に反発ばかりしていました。そんな私にある日、母はこう言ったのです。「丈夫に産んであげられなくてごめんね…。他のお母さんの所に産まれてきたら美咲は丈夫な子だったかもしれないのにね…。本当にごめんなさい」その時の母の表情が今でも目に焼き付いています。その時の私は素直になれず黙ったままでしたが今は違います。私が今、生きているということ、勉強ができるということ、笑えるということ、泣けるということ、これらはすべて父と母がくれた最高の贈り物だと思えます。留年しても温かい友達たちが私を支えてくれてどんなに辛いときでも挫けずに今日を迎えることが出来ました。在校生の皆さん、この先、どんなに辛いことがあっても周りの人たちがきっと支えてくれます。この世に生を受けたこと本当に感謝しています。お父さん、お母さん、本当にありがとう。…以上もちまして答辞とします。 生徒代表、比岡美咲。代理、遠山和葉」
泣きそうになるのを必死でこらえ震える声で和葉は答辞を最後まで読みきった。拍手が大きく体育館中に響く。和葉は礼をしてステージを降りた。
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