第10章 ２人の願い事

修学旅行三日目。平次と和葉の計画として明日の夜にホテルを抜け出し山能寺に行く予定だったのだがそうにもいかないことが起こった。
朝、改方学園が泊まっているホテルの食堂で朝食を食べているとテレビから明日の天気予報が聞こえてきた。
《え～。明日の天気は昼頃から夜にかけて大雨がふるおそれがあります》
天気予報士の声が平次と和葉の耳に淡々と聞こえた。
「え～！明日の夜、雨なん？！最悪や～」
和葉は肩を落とした。
「しゃーない。今日行こか」
「ええ！今日！？」
「そうや。何、雨ん中行くんがいんか？」
「ううん。そないなことやないけど…」」
「ほんなら今日行こ！」
予定は天気の都合で明日の修学旅行最終日でなく今日行くことになった。