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誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】

第20章 新たな命 ー希望ー


翌日、大学の帰りに和葉は平次の家へ寄っていった。もちろん大切な話があるから。大学で言おうとしたが人目が気になって言えなかった。平次は和葉の心も知らずいつものように笑って話かける。しかし、途中から和葉の様子がいつもと違うことに気付いた。
「どーしたんや。和葉、さっきから暗い顔しよって。いつもの和葉らしいないで」
「えっ。あ‥あぁ。何もないで…」
口ではそう言っていても妊娠の話をどうやって平次に切り出そうか頭の中は一杯だった。
(はぁ。どうしよ‥。何て言えばええんかな?妊娠してるなんて言うたら昨日の夢みたいに平次におろせって言われるやろか)
色々な考えで頭が一杯になった頃、悪阻の吐き気がぐっと和葉に押し寄せてきた。
「う゛…ぐっ…」
口を抑えてトイレに駆け込む。
「ううっ…うえっ‥ぐ」
今日の昼食を全部、吐いてしまった。嘔吐に苦しむ和葉の背中にそっと温かい感覚がはしった。
「大丈夫か?和葉」
そう言って平次は和葉の背中をさする。
「う……うん。大丈夫。ありがと」
平次から渡されたティッシュペーパーで口を拭いた。しばらくして落ち着きを取り戻した和葉は平次の部屋へ戻った。
「どうしたんや?今日、体調悪かったんか?」
心配した表情で平次は和葉に聞いた。
「…うん、。まぁ」
「昼、あんな元気やったのに。風邪か?」
「い‥いや。そうやないんやけど」
「なんか変なもんでも食うたんか?」
「いや…特になにも」
和葉は曖昧な言葉を答え続ける。
「病院行くか?今からでも連れてったるで」
「ううん。…大丈夫」
「いや、でも」
心配してくれる平次に心うたれて和葉はとうとう言わなければならない言葉を口にした。
「あんな…。風邪でも、食あたりでもなくてな…」
「何や?」
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