第5章 泥
6人をシャワーに浴びさせ、服を綺麗に洗い
暖炉の前に干していた。
ちびっこ天使は、バスタオルにくるまりながら
それでも暴れていた。
丸山「ちゃんと暖炉で温もってないと風邪をひくよ」
僕は、みんなを暖炉の前に集めようとした。
村上「大丈夫や!俺らは強いからな!」
しかし、少しもじっとはしない
渋谷「雛はアホやから風邪を引かんねんな!」
安田「それは、すばるくんもやろ?」
横山「いやぁ、みんなヤスには負けるで」
安田「なんでやぁ」
大倉「一番、変な事を言うからやろ?」
僕は呆れながらも、一人一人を捕まえては、頭を拭いていた。
村上「でも、あの人さらいは怖いな?」
渋谷「おん、何人かおらんなってるから、お母ちゃんが最近うるさいねんなぁ」
僕はみんなの話で、少し心配そうに聞いた。
丸山「人さらい?」
すると、みんなは一斉に頷いた。
横山「俺らの村と隣の村で子供がいなくなってるんやて」
丸山「どうして?」
錦戸「わからん、なんか突然におらんくなるんやて」
丸山「....突然に?」
渋谷「でも、それは一人で遊んでる子らしいから
俺らは大丈夫やで、いつも一緒やもんな!」
丸山「そっかぁ...」
僕は、突然に嫌な予感がした。
とてつもない不安が胸を襲って来た。
彼らの服を触ると乾いていた。
服を一つ一つ取ると
丸山「さぁ、服は乾いてるから、今日は明るいうちに帰った方がいいよ」
笑顔で服を渡す
錦戸「えーーっ、もう少し遊びたいのにぃ...」
亮ちゃんが拗ねた。
丸山「明日にゆっくり遊ぼうね」
優しく頭を撫でた。
服を着た彼らは、少し不満そうにしていたが
僕は早めに帰したかったのだ、
人さらいは、明るい時には出ないものだと
勝手に思っていたからだ。
僕は屋敷を去ってく彼らを優しく見送った。
ここで、僕が無理をしてでも送って行ってたら、
彼らと別れなど来なかったのに...
彼があんな怖い思いをしなかったのに..