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Dye D? <番外編 丸山>

第5章 泥


僕の屋敷は、すっかり彼らの遊び場になっていった。

庭では秘密基地を作られ、

家の中では、かくれんぼうをしたりと

毎日のように、彼らは遊びに来てくれていた。

今は、庭で元気に走り回っている。

僕は昼間なので家の中で、
厚いカーテンの隙間から彼らを見て楽しんでいた。

しかし、毎日、昼間に会いに来てくれるので、
最近、寝不足だった。

大きいあくびをする僕の足下に、猫がじゃれてくる

丸山「.....吸血鬼が寝不足なんてね」

僕は猫に話しかけると、
猫は嬉しそうに鳴き声あげた。

しかし、なんて人間って素敵なんだろう?

全てに全力で...

彼らを見て僕は、
人間の、短くも太い命の素晴らしさを感じていた。

丸山「.....僕は生きてて、いいのだろうか?」

壁にある、マリアさまの絵に話し掛ける

丸山「僕は、彼らの側にいてもいいのだろうか?」

自分の冷たい手のひらを見つめ、

この手で抱きしめるのを躊躇する闇の生き物の

僕が...

その時だった。
僕のいる部屋のドアが勢いよく開いた。

錦戸「お兄ちゃん、見てぇ!」

そこには泥だけの、亮ちゃんが立っていた。


丸山「ど、どうしたの?」


驚いた僕の顔に、彼は笑顔で

錦戸「みんなで、どろだんご作ってたら、
投げ合いになってもうてなぁ、こんなんになってもうた!」

丸山「.....って、」


彼の後ろを見ると、彼が歩いて来ただろう道に

泥が点々と落ちていた。

まさかと思い、外を隙間から見ると、

楽しそうに、泥を投げ合っていて、屋敷の壁や窓が

泥だらけになっていた。


丸山「.....」


その光景に唖然としてしまった。

僕は首を軽く振り、気持ちを落ち着けた。


丸山「亮ちゃん、そのままで帰るとお母さんに怒られない?」

錦戸「うわぁ、やべぇ、忘れてた!」

丸山「ふふっ、仕方ないなぁ、シャワーを浴びて、服は僕が軽く洗って暖炉で乾かそう、みんなもだよ、」

亮ちゃんは、僕の言葉を聞くと、ホッとした顔をして

錦戸「お兄ちゃん、ありがとうなぁ!みんなも呼んでくるな!」

そう言うと、元気にまた、泥の足跡をつけて去っていった。

この天使たちは、
どこまで僕を笑顔にしてくれるんだろう。

しかし、
あんな事件が起こるなど誰も、夢にも思っていなかった。
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