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Dye D? <番外編 丸山>

第4章 友達


安田「いたぁ...擦りむいちゃった...」

彼の膝から、赤い血がにじんでいた。

その瞬間、僕の氷の心臓が、大きく動くのが分かる。

ダメだ抑えなきゃ。

必死で口を押さえた。

僕は理性を保つことに必死だった。

ここで、彼らを襲うなんて僕には絶対に出来ない。

でも、本能が僕を動かす...

僕は少しづつ、彼らから離れようとフラフラと

しながら後ずさる...

その様子を見た亮ちゃんは心配そうに

僕の腕を掴んだ。


錦戸「お兄ちゃん、どなんしたん?顔色悪いで...?」


丸山「ううん、大丈夫だよ」

血の匂いが、ドンドン僕を狂わせてくる

理性を保てない...

その時だった。


村上「あーーっ、横とおんなじで血が怖いんやろ?」

僕を指差して言った。


丸山「えっ?」


するとみんなは一斉に彼を見た。

真っ赤になってる彼を

横山「雛、うるさい!ほんまに泣かずぞ!」

そう言うと彼は飛び掛かっていき、
掴み合いの喧嘩になった。

大騒ぎになっていた。

僕はちびっこを押し退け、止めるのに必死だった。

このおかげで、
血の匂いで襲いたくなる気持ちは消えていた。

このちびっこ天使たちには、
どうやら吸血鬼の本能すら
抑えてしまう力があるようだ。

これから、
僕は彼らと人生を共にするのだ。

不思議な運命に導かれて....

この時は、誰もがそんな事には気が付いてはいなかった。
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