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first kiss

第5章 Nigella


さくらはいきなり抱きしめるなんて行為にでてしまい、後悔した。

ドキドキする。
鳳くんの香りがする。

「俺、雪田さんと一緒にいるときが一番素の自分でいられる。」

そう言って鳳くんは私の肩に頭を乗せた。

ますます脈拍が速くなる。
私の脈が速くなっていることがバレないか不安だった。

「私も、そんな気がするよ。」

私にはそれしか言えない。

鳳くんの表情は見えないけど、軽く息を漏らすように笑ってくれた。


「今まで、秘密にしてたこと話していい?」
「うん。」

なんだろう。秘密って。

「俺、ずっと前から雪田さんのことが好きなんだ。」

え…?

ウソ…

言葉の意味を頭の中で何回か確かめた。


私を好きって言ったんだよね?

顔を見ようと頭を離そうとしたけど、鳳くんの腕に押さえられた。

「雪田さんが俺のこと友達としてしか見てないことも、宍戸さんを好きなこともわかってる。」

鳳くん…。違うの。

「もう耐えられなかった。本当にごめん。」

なんで謝るの?

「協力するなんて言わなければよかったのかもしれない。」

やっと鳳くんは頭を離してくれた。


「ねぇ…俺じゃだめなの?」

そう言って私の目をじっと見つめた。
鳳くんの瞳はさっきの涙できらきらしている。
目の奥を見つめられているような感覚だった。

「だ、だめなんかじゃな…」

私が続きを言う前にまた鳳くんは私を引き寄せた。
鳳くんの口が耳元にくる。

「ずっと好きだった。」

鳳くんはかすれる声で呟いた。
息が耳にあたる。


どうしたらいい?何て言えばいい?
私も鳳くんが好き。
でも、今そんなことを言ったら変わり身が早いと思われない?
前まであれだけ宍戸先輩が好きだって言ってたのだから。

でも、今言わないときっと後悔する。

「私も秘密にしてたことがあるの。」

鳳くんは頭を離した。

「え、何?」

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