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青春のノスタルジー

第18章 デート


次の日は、約束の通り二人でデートに出掛けました。

いつもと違うのは、私が先に歩いてる事でした。


後ろを歩く渋谷さんは、
時々 空を見たり、風を感じているようでした。
そんな渋谷さんが、またカッコよかったりする。


渋谷「なぁ、まだなん?」


しばらくすると歩き疲れたのか、
何度も同じ事を聞いてくる。


「まだですよぉ」


その度に、私に同じ言葉で返事する。


この繰り返しを楽しんでるのか、
渋谷さんは続けてきた。
こんな、馬鹿なやり取りにも
今の私は幸せを感じてしまう。

私はある場所の前に立ち止まった。

渋谷さんも立ち止まって、その入り口を見つめた。


渋田「....動物園?」


私は考えたんです。これでも、

人気者の渋谷さんと、ゆっくりデート出来る場所を



「はい、鳩好きの渋谷さんには、ここかと思って!」



私は胸を張って答えた。



渋田「俺、鳩好きちゃうで?」



「えっ、嘘!あんなに、鳩に餌をあげてたじゃないですか!」



驚く私に、
渋谷さんは、呆れながら私を見た。



渋谷「あれは、めっさ暇やってん、やから鳩をからかってたんや」



からかうって.....

はぁ、動物が好きなのかと思ったのに...

でも、ここなら大丈夫!

絶対に渋谷さんとバレる事はないからね...



「まぁ、とにかく入りましょう?
せっかく来たんですから」


元気に言う私に、少し渋谷さんは微笑んで



渋谷「なんや、ご機嫌やな、ちょい気持ち悪いわ」



「そんな事言う人には、お弁当はありませんからねぇ」


私は意地悪そうに言ってみた。


渋谷「えっ、お弁当を作ったんか?いつ」


「もちろん、すばるさんが寝てる時ですよ!」


得意気に言う私に、渋谷さんは....


「不味かったら、鼻は覚悟しとけよ...」



笑いながら、私の先を歩きだした。

渋谷さん、覚悟しときます。

意地悪してもいいです

だから....

今だけは夢を見させて下さい...

お願いします...

貴方の、
少し離れた横に居させて下さい....

今だけは....
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