第2章 現在と現実
「社長令嬢でね…
もう3年くらいになるかな。
別に決められた結婚じゃないよ。
リヴァイが決めたことだ。」
『……約束したのに……』
「前世の記憶がないリヴァイに…
私たちが止めることは出来なかった。
…ましてやリヴァイは現に女性が恋愛対象だ。」
重い足を引きずるようにマンションのエントランスまで降りた。
そこで、小柄な女性とすれ違った。
その女性は笑顔を向け
「ハンジさん!」とハンジに話しかける。
黒髪で毛先が巻かれている。
一つに束ねられた髪型は上品さが出ていた。
淡いベージュのフレアスカートがそれをまた引き出していた。
「や、やぁ…ユリ。」
少し戸惑い気味のハンジの様子から
その人がリヴァイの恋人なのだとエレンはすぐに解った。
ユリはエレンに軽く会釈するとエレベーターに乗り込んだ。
エレンはその女性が行き着くであろうエレベーターの階をジッと眺めていた。
そして、それがリヴァイの部屋のある階だと
確認すると足を進めた。