第2章 02-クロマル/裏
散々抱き潰して、マルコは最終的に意識を手放した。
無理矢理抱いたなんて罪悪感はなくて、ただマルコを堪能出来たことに幸福感を抱いている自分がいる。酷く滑稽だ、と己で自分を笑った。
「さて……。どんな気持ちだった?」
ギシリ。ソファから移動して、リビングの扉を開いた。そこには唖然とした顔のあの女―――が突っ立っている。
「俺みたいに、腸煮えくりまくったか?俺が憎くて憎くて、堪らなくなったか?」
「……なんで?貴方たち、兄弟じゃない」
「兄弟だからだ。兄弟だから、こんなことになる。ま、オメェにはわかんねェだろうがな」
クツクツ笑いながら、吸っていた煙草の紫煙を、に向けて吐く。
彼女はただ呆然とした表情で、眠るマルコを見つめていた。