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Dye D?

第20章 渇き


錦戸「あう、、不味い、、」

錦戸は部屋を出て、手洗い場に来ていた。
水道の蛇口を勢いよく捻り、水を飲み込んだ。

錦戸「っ、は、、」

激しい渇きに苦悶の表情を浮かべたが、
その顔が鏡に映ることはなかった。

錦戸「……」

今自分はどんな顔をしているのか

かれこれ何十年も自分の姿を見ていない

錦戸「………くそ……」

悔しそうに俯く錦戸

丸山「亮ちゃん?」

丸山が、後ろから声をかけた。

錦戸「.....何や」

錦戸は不機嫌そうに振り返った。

「大丈夫なの?輸血パックのんでも辛いの?」

錦戸の声の様子に、怯えながら丸山は尋ねた。

錦戸「あの女を噛み付いたら、治るわ」

丸山「それは、ほんまに、あかんで。
皆に怒られてしまうから」

錦戸の辛さを分かっている丸山は、
悲しそうに言った。

錦戸「....分かってる」

錦戸は必死で渇きに耐えようとしていた。

その時、
気分転換に、と私を連れてきた大倉が、
錦戸、丸山の目に入ってしまった。

私の姿を見た瞬間に、
錦戸の渇きが限界を越えた。

錦戸「獲物だ……」

錦戸の瞳の色が変わり
私の首筋を、牙を剥いて見つめた。


丸山「亮ちゃん、駄目だよ!!!!!」

丸山は叫んだ。

その様子を、大倉は静かに見つめ、
危険を察知し錦戸の視線を遮るように
私の前に出た。

錦戸「邪魔するな……」

興奮しながら錦戸は言う。

大倉「……………」

何も言わずに首を振る。

丸山「どうしよう……」

オロオロする丸山の前で錦戸が、
目にも止まらぬ速さでゲストに飛びかかった。

錦戸「なあ、お嬢さん、俺もう限界なんだ…
喰わせてくれよ…」

じりじりと詰め寄り、
声も出せず震える私の髪をかきあげて、
首筋を露にした。

錦戸「旨そうな首筋....」

そう言って、首筋に舌を這わせる錦戸。
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