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Dye D?

第20章 渇き


大倉「亮ちゃん、それは僕が許さない」

大倉は、強い口調で言った。

錦戸「…はあ、?」

錦戸は牙を剥いて大倉を睨んだ。

丸山「大倉アカン、亮ちゃん、正気を失ってる」

丸山は泣きそうになっていた。

大倉はその言葉を聞くと、
錦戸の視線を遮るように、
私の前に立ちはだかった。

錦戸「退けよ、灰になりたいんか?
お前が俺に勝てるん?」

眼の色が、飢えた紅に変わった錦戸に、
大倉は怯む事はなかった。

大倉「ここを退くわけにはいかない」

そう錦戸に言うと
((逃げて、、今のうちに))
そっと私に言った。
私はその言葉と同時に走り出した。

今、私がここに居たら
大倉に迷惑が掛かるのは分かっていた。
そして、逃げる場所は分かっていた。

あそこなら見つからない、
絶対に大倉が助けに来てくれる。

丸山「大倉、みんなを呼んでくるから、待っててな」

丸山は、
私が走り出したのを見て、
みんなのいる場所に走って行った。

錦戸「早よ退けや!逃げてまうやろ!」

錦戸は、逃げていく私を見て大声をあげた。

大倉「彼女を傷付けるわけにはいかない!
彼女と約束したから」

大倉は怯む事なく、
私の逃げ道を確保するために、
錦戸の前に立ちはだかった。

錦戸「退けやぁぁぁぁ!!!!」

怒りが頂点に達した錦戸が、
大倉に飛びかかって行った。

大倉「亮ちゃん!しっかりして!」

大声で錦戸を制する

錦戸「お前は本当の飢えを知らんから、
そんな悠長な態度で居られるんや...。
この渇きが、どれだけ辛いか、知らんから....」

錦戸は、怒りをあらわにしながら、
大倉の胸ぐらを掴んだ。

大倉「…………………」

胸ぐらを掴まれた大倉は、無言で睨み返す。

錦戸「なら、教えてやろうか?」
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