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Dye D?

第19章 アザ


横山と渋谷は、二人だけで
長い廊下を静かに歩いていた。


横山「全ては大倉の過去が関係してると?」

渋谷は疑いながら、言った。

横山「すばるが言うように、過去に見たアザの場所が俺の推測するあそこならな....」

横山は考えながら言った。渋谷も横山の考えを察したのか

渋谷「....なら、あの女がここに迷い込んだのは」


横山「偶然じゃなく、誰かが手引きしたって事や。俺らの中に裏切りモノがおる.....」

渋谷「はぁ、何でやねん」

横山の言葉を信じられない渋谷。

横山「ずっと考えてたが、この山奥にクリスチャンの女一人で偶然に来るとは考えられんし、スマホを落としたと言ってたが、そんな偶然ありえんやろ?連絡をたたれてたって....」

横山の強い口調に、渋谷も考えながら

渋谷「えっ、無いこともないやろ?でも、偶然にしたら重なりすぎやな..あの時とおんなじやな..」

横山「あの時か...」

横山はしばらく考え込んだ。

横山「確かめよう、大倉には悪いけどな...」

冷たく目を光らせ、二人はあのステンドグラスの部屋に入った。
二人は白い棺の前に立ち、静かに蓋を開けた。
中には静かに女が眠っていた。

渋谷「あの時と変わらずか....」

渋谷は呟く

横山「あの時にもっと考えるべきやったな、この女が来た理由と、なぜ目覚めんかを...」

横山は目を細めながら女を見つめた

渋谷「それより、俺の記憶が正しかったら.....」

渋谷はゆっくりと、寝ている女の胸元を広げてみた。

渋谷「ほら、ビンゴや!」

よろこんだ渋谷と、目を見開く横山。
女性の胸元には、ここに来た女と同じ
くっきりとしたクロスの傷跡があった。

横山「なるほどな.....」

小さく横山は笑った

渋谷「これは、大倉を助けようとした時の傷やろ?
そして、この上の傷は、大倉が噛んだ傷痕」

渋谷は指を指しながら説明する

横山「傷痕すら、治ってない..って事は....吸血鬼になってないって事か?」

横山は考えるように呟いた。

横山「この事を大倉は?」

渋谷に問いかけた。

渋谷「いや、知らんと思うで、何も言ってなかったし」

胸元をバレないように直しながら答えた。

横山「一本で繋がった.....」

そう言うと、横山は静かにその部屋を後にした。

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