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Dye D?

第18章 それぞれの思い


自分の部屋でイライラしながら、テーブルにある輸血パックを見つめている錦戸。

錦戸「.....なんでこんなん飲まなあかんねん」

悔しそうに、輸血パックを掴み壁に投げつけた。

安田「あ~ぁ、勿体ない事してぇ..。
俺がせっかく盗んできたのに...」

安田は、そう言いながら拾いあげた。

錦戸「.....なんやねん」

安田を睨み付ける、錦戸。

安田「亮ちゃん辛いんやろ?」

輸血パックを差し出しながら安田は言った。

錦戸「...........」

怒った顔をしながら、錦戸は無言で顔をそむけた。

安田「はぁ、しゃーないなぁ...
俺らの中では
一番プライド高いから無理かもとは思ってたけど...」

安田は黙って、錦戸の横に座った。

錦戸「......なんやねん、ケンカ売ってるんか!」

驚いて言う錦戸に安田は笑いながら言った。

安田「俺から吸ってええで、
亮ちゃんはグルメやから、レトルト無理なんやろ?」

そう安田は言うと、錦戸に首を見せた。
その安田の行動に、錦戸は驚き顔を赤らめ、安田の手にある輸血パックを取り上げた。

錦戸「お前から吸うくらいやったら、これを飲むわ!」

安田「ふっ、さすが亮ちゃん...誤解されやすいけど、誰よりも仲間を想ってるもんね...」

嬉しそうに、安田は微笑んだ。

錦戸「何が言いたいねん?」

輸血パックに食い付きながら、イライラしながら錦戸が言った。

安田「あの時もさぁ、
本当はみんなを助けようとしてたんは亮ちゃんだし...」

錦戸「しょーちゃん、もうええねん」

錦戸は少し笑いながら答えた。

安田「でも、みんな誤解してるし.....」

悲しそうに安田は呟いた。

錦戸「やけど、ここに誘ったんは俺やし、
俺が率先してあの部屋に入ったのも事実や.....」

そう言うと、飲み終えた輸血パックを
床に投げつけた。

安田「俺はこうなっても生きれて良かったと思ってる、こうしてみんなで..」

安田は錦戸に詰めよった。

錦戸「俺が、そんなん気にするわけないやろ?」

安田を見ながら錦戸は笑った。

安田「.....亮ちゃんは、誤解されすぎだよ....」

悲しそうな安田の顔を見て

錦戸「俺は、お前の優し過ぎる所が心配やで..」

錦戸は、安田の肩を抱いた。
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