第2章 シリーズⅡアポフィライト①
『……オレは、どんなことがあっても、おまえを守る』
『たかし……』
『オレにとってアサヒは、光邦と同じくらい……大切だから』
『……ありがとう。たかし、大好きよ』
「ふふ、あの時の約束、小さかったし崇は覚えてないんだろうなぁ」
肘掛けに左肘をついて、右手に持ったクリームソーダを飲みながら昔を思い出していた。
あの頃はあたしの方が背が高かった筈なのに、今では崇、電柱みたいに大きくなっちゃって。
現在、あたしとホスト部員達は鳳グループ経営のシークレット会員制プールリゾートに来ている。ちなみに貸切り。
幼馴染みのみつくんと崇を通して仲良くなったホスト部員達に、プールに行かないかと誘われたから一緒についてきたんだけれど、思っていたよりも暑い。
水着の上に崇のパーカーを借りて着ているからなんだけど、崇が着ていろって言うから脱げないのよね。
身長差があるからだぼだぼで長袖ワンピースになっているし。
「あ、崇。おかえり。休憩?」
こっくりと頷くと、軽く頭を傾けて叩き、耳の中に入った水を出している。
「喉乾いたんでしょ?はい」
クリームソーダを崇に差し出すと、崇はクリームソーダを持っているあたしの手を掴んで自分の口元に持っていき、ストローを咥えてゴクリと飲んだ。
ドキリと鼓動が大きくなったけど、それを隠して何とも思ってないように振る舞う。