第2章 学生の嵐
キーンコーンカーンコーン…
4時間目終了のチャイムが鳴り出したと同時に、教室の扉が勢いよく開く。
「和、早く!売り切れちゃう!」
さっきまで寝てたせいか頭がぼーっとしていたけどその人の声を聞くなり目が覚める。相葉雅紀。隣のクラスの人。…そう、相葉さんとは特に部活が同じとかバイトが一緒とかそう言うことがなくて。去年同じクラスだったから、今年も仲良くしてるって感じかな。バスケ部の副キャプテンで、放課後になると今度は体育館にダッシュして誰よりも早く練習を始める。
「あー、はいはい!今行く」
クラスメイト全員の注目を集めている相葉さん。多分自覚はないんだろうけど、そりゃ毎日こんな全速力で走ってきて俺を呼ぶ人なんて早々いませんからね。うちのクラスの女子はキャーキャー言ってますよ。相葉さん、イケメンだから仕方ないことなんだろうけど。